写真:AP/アフロ

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データで政策への理解を求めるオバマ政権

インフォグラフィックス2013.10.21 18:17

 米国のオバマ大統領が当選した時、若年層からの得票数を伸ばすためにソーシャルメディアを活用したことは良く知られている。また、先の再当選の際、民主党政権がビッグデータを活用する選挙戦を見せたことも記憶に新しい。実はその際、オバマ陣営がインフォグラフィックスを使ってソーシャルメディアに情報投下していたことをご存じだろうか。

 「Organizing For Action」と名付けられたこのページでは、これまでの実績をアピールするために、グラフやピクトグラム、写真などを使ったインフォグラフィックスが掲載されている。

 各インフォグラフィックスの上にはソーシャルボタンやメール共有ボタンが付き、友人や知人への共有を促すとともに、下部には「DONATE」ボタンがついており、選挙戦に必要な献金を依頼するものとなっている。献金額は15ドルからクレジットカードで始めることができ、氏名住所のほかメールアドレスなどの入力も必要となっている。

 個々の政策に関するインフォグラフィックスのFacebookいいね!数、Twitter拡散数自体は2ケタ~3ケタの規模であるが、オバマ陣営への献金者が300万人を超えた記念のインフォグラフィック「Three million people」では、Twitterで2000を超える拡散が起きている。

 こうした選挙戦での経験から、オバマ政権は政策の意義や現状を伝える解説サイトを9月26日にオープンした。タイトルは「WHITE HOUSE SHAREABLES」で、ソーシャルメディア上で簡単に共有できるデータ情報を発信している。

政策のテーマは以下となっている。

  • 教育政策
  • ヘルスケア政策
  • 移民政策
  • 経済
  • エネルギー政策
  • その他の政策

 公式ブログによると、政策をより分かりやすく伝えるための取り組みであり、意見が分かれるようなテーマや興味のあるカテゴリーがすぐに見つかる工夫が施されている。

 事例として教育政策の中の大学進学支援策についてのインフォグラフィックスを紹介したい。

 オバマ政権は、高騰する教育費を引き下げるため、大学の経済的価値に応じた格付け制度を使い、それに基づく補助金を支出する制度を提案している。背景には米国の学生たちが高額な教育費のために進学を諦めるか、多額の教育ローンを抱えて進学するかの選択を迫られている現状がある。

 インフォグラフィックスでは、現状の学費および家計の状況に関するグラフと、大学進学とその後の就職率・平均給与の高さに関するデータを掲載し、大学進学率を維持し、教育環境を改善することこそが国力維持につながることを示そうとしている。

 米国はこれまで多数の移民を受け入れ、文化・価値観の違いを乗り越えてきた。そして今、財政問題に直面しているオバマ政権は、裏付けのあるデータを直感的に伝わるインフォグラフィックスを用いて国の重要政策、法案への理解を世論に求めている。

*参考データ:オバマ大統領が教育費適正化で新対策、大学の価値評価制度を提案 (Reuters)

まり

広告制作会社を経て、マーケティングリサーチ、ソーシャルメディア分析業務に従事。 趣味でFlashやイラストレーターをかじったこともあり、データ×デザイン=インフォグラフィックスに興味津々、修行中。

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