トクホ飲料市場の拡大、ビールを望む声も

2013.8.22 16:47

 今年も猛暑が続く夏。のど越しの良い冷たい炭酸飲料が飲みたくなる季節だが、最近は「特定保健用食品」、すなわち「トクホ」の清涼飲料水が増えてきた。9月10日にはアサヒ飲料の新しい「三ツ矢サイダー」が発売されるが、これもトクホのサイダーなのだ。

 トクホとは「特定保健用食品」の略称で、個々の製品ごとに消費者庁長官の許可を受けており、保健の効果(許可表示内容)を表示できる食品のことだ。いまや商品数は1000点を超え、市場規模は3362億円(富士経済調べ:2013年予測)に及ぶといわれている。

 今までトクホの飲料といえば、花王の「ヘルシア緑茶」やサントリーの「黒烏龍茶」などが市場をけん引してきた。ペットボトルのお茶を飲む感覚で手軽に飲め、脂肪の消化・吸収を抑える効果を前面に押し出し、メタボ予防を意識したCMが印象的だ。

 最近では、キリンメッツコーラやペプシスペシャルといった炭酸飲料市場や、ヘルシアコーヒーなど様々な分野の飲料も発売されているが、消費者はトクホについてどう思っているのだろうか?ソーシャルメディア上の口コミから探ってみた。

 以下のグラフは8月3日から17日までの2週間、ツイッター上で書かれた約2万件の"トクホ"に関する口コミの内訳である。自動的に投稿される占いツイートのラッキーアイテムとしてトクホが紹介されるといった機械的な投稿や、botによるツイート、アフィリエイトなどを除くと、消費者の生の声は約2,000件と全体の10%程度だった。アフィリエイトではケース売りも多く見られ、トクホ飲料が一般的にも認知されていることが分かる。


コーラ系飲料の書き込みが中心。この次は、トクホのビール?!

 さて、ツイートの頻出キーワード上位15位をみると、8月5日から開始されたペプシの「PEPSI HEALTHY SUMMER キャンペーン」で、ももいろクローバーZの招待制ライブが当たるという書き込みが目立つ。中には応募に必要なシリアル番号だけ欲しいというツイートも見られ、トクホやその効果に関係なく盛り上がっている様子が見られた。

トクホに関する頻出キーワード 上位15位

 カテゴリー別にみてもコーラについての書き込みが目立つ。以下はももクロのキャンペーンを除いた後の商品カテゴリランキングだ。炭酸系の書き込みが全体の84%を占め、炭酸の中でも上位3位はコーラ系の飲料だった。

カテゴリー別ランキング

 ツイートを読んでいると、「健康のためにコーラを飲む」「トクホコーラとか健康へのアガキ」といったようにコーラという健康に悪い印象の飲み物が「トクホ」という健康によいイメージの飲料になるという、そのギャップを楽しんでいるようだ。中には、お茶、コーヒー、コーラときたら次は絶対にビールが来るでしょ?といった、"健康とのギャップ"がある新たな商品発売を期待する声も見られた。


メタボ予防には生活習慣が大事というけれど・・

 以下は消費者の生の声から、トクホ飲料を飲むシーンについて頻度別に集計したグラフである。

頻度別 飲料シーンについての書き込み分類

 各商品によっては飲み方が異なり、中には食事と一緒に飲むような飲み方を進めているものもあるが、ツイート上で一番多いのが、暴飲暴食・油ものを食べたときに飲むというものであった。

「肉食い過ぎた…トクホの黒烏龍になんとかしてもらおう」
「カップめん、ポテチを食いつつもトクホコーラで健康志向」
「つい食べちゃったけど、トクホで帳消ししたい。」

といったようなトクホの効果を期待する書き込みが目立つ。中には冷静に「トクホを飲んでいるから食べ過ぎてもいいわけないだろ」などとツイートしているユーザーも見られた。

 今回の消費者の声を分析することでトクホに関しては、ビールのような新しいニーズと、消費者の引用シーンも見えてきた。これらの声をすぐ商品開発に活かせるとは言えないが、体に悪そうな飲み物ほど、トクホになってほしい気持ちはわかる気がする。

 ま、トクホのビールが出ても飲みすぎてはダメなわけで、適度な運動と普段の食事が重要なのは言うまでもない。それでも、メーカーさん、トクホのビール待ってます!

日本橋 太郎

SEを経てベンチャーやら外資やらでコンサルタント/アナリストとしてさまざまなデータを分析。住まいは、東京の下町。とにかくお祭りが好き。将来日本橋(東京)に住むと決めた。

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