写真:岡沢克郎/アフロ

写真:岡沢克郎/アフロ

プロ野球ドラフト会議をTwitterから予想

2014.9.3 18:17

 8月25日に大阪桐蔭高校の優勝で幕を閉じた第96回全国高校野球選手権大会(以下、甲子園)では、多くの高校球児たちが注目を浴びた。野球ファンの多くが、どの選手がプロ野球に入るのか気になっているだろう。高校生に限らず、次のドラフト会議での指名が期待される選手は誰なのか。Twitter上の書込みをもとに分析した結果、高校生投手や優勝した大阪桐蔭高校の選手の注目が高く、各球団のチーム事情を考慮に入れた選手指名を期待する声が多いことが分かった。


 分析にはNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションのTwitter全量解析ツールBuzz Finderを用いた。2014年8月20日~2014年8月26日の「ドラフト」という単語を含むツイート(12,873件)を対象に、形態素解析を行い、選手名を含む書込みを集計した。
*Buzz Finderは、NTTコム オンラインとTwitter社との提携により日本語ツイートの全量を取得し、国内最大級のクチコミを対象としたリアルタイム分析サービスです。


最多書込み件数は松本(盛岡大付属高)、大学生では有原(早大)が有力

 期間中、最も書込みが多かったのは、松本裕樹(盛岡大付属高)の289件だった。チームは3回戦で負けてしまったものの、最速150キロ&通算54本塁打で大谷(日本ハム)2世と言われる逸材の注目度は高いことが分かる。2位には安楽智大(済美高)がランクイン(143件)。今年の夏は甲子園に出られずさらにケガもあったが、2年時の春夏ともに甲子園で活躍したことで、ドラフトでの指名を期待する声が多いようだ。
 甲子園で一躍注目を浴びた今井重太郎(三重高)、西嶋亮太(東海大四高)も名前が挙がっている。さらに、優勝した大阪桐蔭高からは福島孝輔、中村誠、香月一也の3人がランクインしたことから、やはり甲子園での活躍の影響が大きいことが分かる。

 一方、高校野球が盛り上がっている期間にも関わらず、今年の目玉選手と言われる有原航平(早大)や京大初のプロ選手の期待がかかる「国立の星」田中英祐、興南高校で春夏連覇を達成した島袋洋奨(中大)に関する言及も多かった。

 なお、ポジション別にみると、圧倒的に投手が多い結果となっており、近年プロ野球でルーキー投手の活躍が目立つ影響が出ているのかもしれない。

選手名書込み件数上位25個
順位 キーワード 選手 ポジション 度数
1 松本 松本裕樹(盛岡大付高) 投手 289
2 安楽 安楽智大(済美高) 投手 143
3 脇本 脇本直人(健大高崎高) 外野手 139
4 (裕樹) 松本裕樹(盛岡大付高) 投手 131
5 有原 有原航平(早大) 投手 84
6 飯塚 飯塚悟史(日本文理高) 投手 67
7 田中 田中英祐(京都大) 投手 66
8 島袋 島袋洋奨(中大) 投手 66
9 浅間 浅間大基(横浜高) 外野手 65
10 高橋 高橋光成(前橋育英高) 投手 54
11 石川 石川直也(山形中央高) 投手 53
12 岡本 岡本和真(智弁学園高) 内野手 46
13 今井 今井重太郎(三重高) 投手 43
14 岸潤一郎(明徳義塾高) 投手 42
15 福島 福島孝輔(大阪桐蔭高) 投手 40
16 中村 中村誠(大阪桐蔭高) 外野手 30
17 森田 森田駿哉(富山商高) 投手 30
18 吉田 吉田凌(東海大相模高) 投手 29
19 山崎 山崎康晃(亜大) 投手 29(11)
山崎福也(明大) 投手 29(7)
20 (光成) 高橋光成(前橋育英高) 投手 28
21 香月 香月一也(大阪桐蔭高) 内野手 28
22 長野 長野勇斗(三重高) 外野手 26
23 西嶋 西嶋亮太(東海大四高) 投手 22
24 小川 小川良憲(近江高) 投手 19
25 野村 野村亮介(三菱日立パワーシステムズ横浜) 投手 18

※山崎の度数の()内は、表している個人が特定できた書込み数


どのチームも投手重視、ロッテは外野手にも注目

 次に、同データをもとに、各プロ野球チーム名が含まれるツイートを抽出し、チームごとにどのようなキーワードが書き込まれているか、特徴を分析した。
*球団ごとの言及率は(球団ツイート内の単語出現数/球団ツイート数)で計算。

 すべての球団が「投手」に対する言及が最も多く、野手に対しての書込みは少ない結果となっており、「投手」が最もドラフト指名で注目されていることがわかる。なお、ロッテは捕手や外野手への言及率が高く、他球団に比べ、より注目されていることが分かる。また、広島、オリックス、日本ハムに関しては、他球団よりも高校生が注目されていることがわかる。

各球団の選手情報言及率

選手情報言及

中日・ヤクルトは怪我を考慮、西武は今年も大阪桐蔭か?

 書込みから、「地元」「大阪桐蔭」「怪我」等の特徴的な単語を挙げると、横浜や中日が他のチームに比べ地元選手への注目が高い。4人の大阪桐蔭OBが所属する西武(中村剛也、浅村栄人、森友哉、岡田雅利)が「大阪桐蔭」への言及率が他チームに比べ非常に高く(16.9%)、今年も指名を望む声が多い。また、故障した選手が多く苦しんでいる中日とヤクルトが「怪我」についての言及が多く、怪我をしていない選手を指名してほしいという声が目立った。

特徴的な単語の言及率

特徴語

日本ハムは有原(早大)に、中日は今井(三重高)に注目

 日本ハムは有原に、阪神は田中に注目しており、島袋はソフトバンク、巨人からの注目度が高いことが分かる。また、大阪桐蔭の中村、香月は西武からの注目が最も高い。さらに、中日は隣県の三重高の今井の注目度が高く、これは地元志向が反映されている結果かもしれない。

各球団の選手別言及率

選手言及率

セ・リーグは似た傾向、パ・リーグは独自路線?

 選手名と特徴的な単語の言及率を使用して多次元尺度構成法という統計手法を用い、球団ごとの「ドラフト」関連でつぶやかれた内容の類似性を可視化した。互いの位置が近いほど、類似度が高いことを示している。

 セ・リーグの球団は互いに近しい距離に位置しており、各球団は似たような指名傾向になるのではと予想できる。一方、パ・リーグの球団は散らばって布置されている結果となっており、各球団が異なるドラフト指名をする可能性が高いことが分かる。

各球団の類似度

mds

 松本、安楽、脇本への期待が高いがドラフト1位で取られるのか、今年も西武が大阪桐蔭の選手を指名するのか、など注目する点が多く楽しみである。果たして予想通りの指名となるのか、それとも意外な指名をしてくる球団が出てくるのか。10月23日に行われるドラフト会議は要チェックだ。

Yuta

Twitterデータ解析を勉強中の、野球とテニスを愛するインターン生。

コメント