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激怒Tシャツ騒動を可視化。話題拡散に寄与したアカウントは?

2015.1.19 21:32

 激怒Tシャツの話題をご存じだろうか。カタログ通販のニッセンの公式Twitter担当者スミスさんが、「激怒した」を「激怒Tした」と誤まって投稿したことが元になり、多くの企業アカウントがゆるやかなコミュニケーションを展開し、最終的に「激怒Tシャツ」を販売することになった一連の騒動である。

 この一連の出来事は、Twitter上のゆるやかなコミュニケーションだからこそ可能な“ある種のマーケティング”であるが、もっともこの話題の拡散に寄与したアカウントはどの企業アカウントだったか、また、どのように広がっていったかを分析した。

参考:ねとらぼ「ニッセンがTwitterで誤字→公式アカウントがよってたかって協力して1日で「激怒Tシャツ」商品化決定」

 「激怒T」を含むTwitter上の書込みをTwitter日本語全量解析ツール「Buzz Finder」で収集、約19,000件の書込みがみられた。今回、拡散の定義を「“激怒T”のキーワードが含まれるツイートが引用(リツイートやリプライ)された回数」と定義し、最も引用されたアカウントをランキング化した。また、複雑ネットワーク技術を活用し、一連の話題拡散のやり取りを可視化した。

※取集期間:2015年1月8日(木)から13日(火)


1位はもちろんニッセン。ねとらぼのメディア力も寄与

 今回もっとも話題拡散に寄与したのは「ニッセン」のアカウントであり、3,344件のツイート引用がみられた。続いて、ネットまとめサイトである「ねとらぼ」が1,797件と2位にランクインし、以下パイン株式会社(1,475回)、シャープ株式会社(1,184回)、キングジム(754件)、警視庁と続く。

各企業アカウントのツイート引用数

図2

 一連の騒動には関与していないが、「ねとらぼ」は2位の拡散力を誇る陰の立役者となっており、関与したアカウントを退けて、堂々2位の引用総数を誇っている。今回の分析は「アカウント発信」のみを対象としているが、実は「ねとらぼ」のTwitterアカウントから発信以外にも、記事ページからの直接の拡散数が5,000件を超えており、メディア力の高さが確認できる。 3位には、激怒Tシャツをデザインした張本人「パインアメ」がランクイン。なぜパインアメがデザインしたかは謎であるが、ソーシャルメディア運用者として、いち早く話題に食いつくスピード感には、驚くべきものがある。

 日頃からゆるいコミュニケーションを展開するシャープ株式会社アカウントも「汗ばんだTシャツはSHARPの洗濯機で」と、さりげなく!?同社の商品で話題に参入した。


「実際のやり取りで楽しむ集団」と「ネットの1つの話題として楽しむ集団」の存在

 今回、複雑ネットワーク技術をもとに、拡散先の分析を行った。グラフ上の「点」がTwitterのアカウントやネット記事を示しており、Twitter上でのやり取り(リツイートやリプライ)が発生すると「線」で結ばれる。アカウント同士でやり取りが多く発生すればするほど、グラフ上で近くに布置される仕組みとなっている。

Twitter上のやり取りを可視化

図1

 本分析の結果では、ニッセン、パインアメ、キングジム等の「実際のTwitter上のやり取り」をもとに激怒Tシャツの話題を楽しむ層と、「ねとらぼ」のまとめ記事により騒動に関心を示すネット民層の大きく2つの存在がいることがわかる。ねとらぼ記事から引用しているユーザーたちは、ニッセンなどのツイートの実際のやり取りにはあまり参入しておらず、あくまで「日々あるネットの面白い話題の一つ」として拡散していることが考えられる。実際のやり取りを楽しんでいた層の方が、ニッセンやキングジムに対する愛着が高いと想定され、激怒Tシャツが販売されたあかつきには、買う確率が高そうな層である。

 一方、ねとらぼ側の「ネット民層」との橋渡し役と言えるのがシャープ株式会社のアカウントであり、シャープのアカウントを引用するユーザーたちは、「実際のやり取りを楽しむ集団」と「ねとらぼ起因のネット民層」の両方から支持(引用)されている。日頃の緩い発信がネット層からも支持されている可能性があり、うまくシャープアカウントと連携した拡散は、「ネット記事で話題を知っただけだが、買う可能性が高い層」へのアプローチができるものと考えられる。

 また、本騒動とは無関係であるが、今回の分析からまとめサイトである「togetter」と「ねとらぼ」の性質の違いが顕著にみられる。togetterのアカウントは、ねとらぼのアカウントと比較して、ニッセンやキングジムアカウントのユーザーと親和性が高く、近くに点が布置されていることがわかる。実際に話題拡散に寄与したのは「ねとらぼ」であるが、実際に買ってくれそうな層は「togetter」利用者の方が多そうである。


 実際に販売されることが決まった「激怒Tシャツ」。ぜひ、拡散に協力してくれた企業とのレベニューシェアなんていかがなものだろうか。「警視庁は営利団体ではないから」とか、拡散した分パインアメをニッセンが購入する」とか妄想を膨らませると面白い。企業間で色々やり取りがあると、さらなる話題拡散=ソーシャルメディアマーケティングの可能性が感じられそうだ。

Yoshiyuki

企業のソーシャルメディア活用の立上げ・運用支援・分析をする傍ら、buzzoo.jpの運営を行う。大学時代に学んできた統計学・データマイニングの経験を活かし、将来は21世紀最もセクシーな職業を目指している。お酒大好き浦和っこ。

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