写真:AP/アフロ

写真:AP/アフロ

Bot APIでチャットボットのビジネス活用のデモを作ってみた

2016.5.9 18:00

 チャットボット(chatbot)とは、ユーザーが入力したチャットメッセージ(会話)に対し、自動的に返答する仕組みの総称だが、このチャットボットへの関心が今年に入り急速に高まっている。

 国内利用者が5,800万人を超えるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のLINEでは、3月24日に行われた「LINE CONFERENCE TOKYO 2016」にてビジネスプラットフォームのオープン化戦略を発表。4月7日には開発者向けにBOT API Trial Accountの無償提供を開始した。
 世界最大のSNSであるFacebookでも、4月12日に開催した開発者カンファレンスで同社のメッセージングサービス向けに「bot for the Messenger Platform」を発表した。こうした開発者向けの発表が相次いでいるのも、囲碁の世界プロを破ったAlphaGoのようなAI技術(機械学習)が人間と受け答えするチャットというプラットフォームの相性のよさもありそうだ。

 LINE bot APIやFacebook Messenger Platformの技術的な解説はすでに多く出ているが、今回はこれらのプラットフォームを使ったビジネスでの活用例を、実際にAPIを使いながらデモを作成してみた。

チャットボットの基本「会話」

 まずは会話やユーザーの要求に応じて受け答えするデモだ。実際の受け答えはNTT ドコモが提供している雑談対話APIを、ニュース記事の表示にはトレンド記事抽出APIを使用している。Facebook Messenger Platformでは、通常のテキストの送信以外に画像やボタンを組み合わせたメッセージや、スマートフォンに最適化された横にスクロールするタイプのリンク等を作ることができる。


ECサイトでの活用

 ECサイトをイメージしたチャットボットの例だ。メッセージは文字だけではなく、写真や動画、位置情報なども送信することができるため、文字入力をわずらわせることもない。動画では画像からバーコード部分を取得し、読み取った情報から商品検索を行って表示を行っている。そのほかの活用例としては、自分の持っている服を数枚送信するとそれにあったアクセサリをコーディネートして提案したり、位置情報を送信すると近くの自社店舗への案内を送信するなど、応用範囲は広そうだ。


顧客情報の連携とNet Promoter Score®による顧客ロイヤルティ調査

 このデモでは架空の店舗「大崎フラワーショップ」の顧客情報を、LINEログインを利用してLINEのアカウントと紐づけ、さらに顧客満足度の測定を目的とした例だ。チャットというプラットフォームではユーザーとの距離が近い分、このような顧客のパーソナライズがしやすくなるかもしれない。また、アンケートなどの顧客満足度の調査なども設問数が少なければチャットボットでの実施も可能だろう。

 動画ではNet Promoter Score®(NPS®)とよばれる、「このサービス・商品を友人や同僚、親しい人に勧めますか?」という質問を行い、顧客ロイヤルティ(忠誠度)を図る調査を行っている。FacebookもLINEも、ユーザーが親しい友達と連絡を取り合うツールであり、顧客ロイヤルティが高ければ、これらのサービスを通じて新たな顧客を呼び込むことも可能だろう。


 チャットボットの活用は始まったばかりだが、アクティブコミュニケーションなど企業のソーシャルメディア活用と同様、「ユーザー目線でのコミュニケーション」がより重要となってくる。特別なアプリケーションなしにスマートフォンにPUSH通知ができるなどよい側面もあるが、同時にスパムメッセージなどの乱用も課題になるだろう。顧客が求めているものは何か理解したうえで、便利ですてきなチャットボットの登場に期待したい。

※ Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

保科 雄太

1981年生まれ。本サイトではサイトコーディングやデザインなどを担当。データビジュアライゼーションの勉強中。甘いものとお酒が大好き。

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