写真:Motoo Naka/アフロ

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あらゆる疑問に答えるWISDOM Xで「気づき」を発見

トレンド・ライフ2015.4.1 01:37

 独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)は3月31日、大規模Web情報分析システム「WISDOM X(ウィズダム エックス)」を公開した。このシステムは、日本語で「グラタンに何を入れるか」「毎日、チョコレートを食べるとどうなるか」といった、ユーザーが入力した抽象的な質問文を解析し、10億件以上のインターネット上のページから回答候補を表示する仕組みだ。

 実際に試してみよう。サイトのトップページにアクセスすると質問例がいくつか表示されている。質問例の「キーマカレーに何を入れる?」をクリックし検索すると、「野菜」「チーズ」「トマト」「ナス」など、キーマカレーにいかにも入っていそうな具材が出てきた。ここまでは普通のWeb検索でも出来そうだが、ここで「野菜」をクリックし、検索結果をスクロールすると野菜に関する追加の質問候補が表示される。「なぜキーマカレーに野菜を入れるか?」を選択すると「キーマカレーに野菜を入れると残り物の野菜が消費できる」「小さな子供でも食べられる」「肉嫌いだから」などの回答候補が表示され、なぜ「キーマカレーに野菜」という答えが出てきたのか理解することができる。

キーマカレーに何を入れる?

キーマカレーに何を入れる?

「野菜」をクリックすると現れる追加の質問候補

「野菜」をクリックすると現れる追加の質問候補

「なぜキーマカレーに野菜を入れるか?」の結果が表示される

「なぜキーマカレーに野菜を入れるか?」の結果が表示される

 今度は違う言葉でみてみよう。質問が浮かばないときは一つの単語を検索するだけでも、質問の候補が表示される。どんなものでもよいが、例えば「」という検索キーワードで表示された「春になるとどうなる」という質問だと「春になるとアレルギーが出る」「肌荒れに悩む」といった季節の移り変わりで体調を崩す人や、「うつ病が増える」といった新年度が始まり身の回りの環境の変化に悩む回答もみられる。

質問文ではなく単語で検索すると質問の候補が現れる。ここでは「春になるとどうなる」という質問を選択

質問文ではなく単語で検索すると質問の候補が現れる。ここでは「春になるとどうなる」という質問を選択

春になると苦しむ人もいるようだ

春になると苦しむ人もいるようだ

 このように「なに」「なぜ」「どうなる」といった自然な質問から答えを出し、さらに深掘りして回答を導くことも可能なのがWISDOM Xの特徴だ。まだ試験公開のサービスで、利用結果を今後の研究に活用することがシステム使用の条件だが、ビジネスでも自社のイメージや商品アイデアのヒントに使えそうだ。食品の場合だと、「ワインは〇〇をもたらす」といった質問ならば「風味をもたらす」「豊かさをもたらす」「文化」などいろんな人が思うワインのイメージの断片が発見できる。また、一般名詞だけでなく固有名詞でも出てくるため「トヨタ自動車は何を目指すか?」といった言葉でもニュース記事を中心に語られるワードが表示される。

「ワインは〇〇をもたらす」の結果。件数が多い順に出ているわけではない

「ワインは〇〇をもたらす」の結果。件数が多い順に出ているわけではない

 NICTは今後、本システムで使用するWebページを現在の10億ページから40億ページに増加させ、回答精度も向上させていく予定だ。情報検索といえば、複数のキーワードを指定して検索結果を追加したり取り除いたりするAND検索やNOT検索が一般的に使われているが、WISDOM Xのように違ったアプローチで使いやすく便利な仕組みが広がれば、IT活用が苦手な人でも様々な情報に触れることが可能になり、情報格差の差も小さくなっていくかもしれない。

保科 雄太

1981年生まれ。本サイトではサイトコーディングやデザインなどを担当。データビジュアライゼーションの勉強中。甘いものとお酒が大好き。

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